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日本におけるRE100
日本を100%再生可能エネルギーに転換してカーボンゼロを目指す
世界は、カーボンゼロ*2030-2035年頃
までに
実現する必要に迫られています。実現できなければ
気温上昇を最大1.5°Cに抑えるというパリ協定の
目標が達成できなくなります。
* ネガティブエミッション技術の進展によっては正味ゼロも可能
WMOGuardianCarbonbrief
RE100とは?
RE100の定義:
全てのエネルギーの供給や消費
100%再生可能なエネルギー源
(風力、水力、太陽光、地熱
など)に転換すること
RE100は日本に大きなチャンスを
もたらします
日本はRE100を目指す上で
最適なスタート地点に
立っています
ビルの冷暖房には既にほぼ100%電気を使用
広範な高速電車網
都市に人口が集中し広範な高速道路網が整
されているため、電気自動車の充電ネット
ークの整備に最適
1日平均の車の走行距離 < 25kmMLIT
G7では太陽光発電可能量の季節変動2番目
に低く、季節ごとの大きな調整が不要
World Bank
日本には、RE100の推進とその技術で世界を
率いるポジションにつくチャンスがあります
RE100のチャンス
日本企業が世界を率いる分野で、
革新的なリーダーシップが必要です。
化学技術および重工業を用いて実現する運動エネル
ギー技術による次世代のバッテリー技術および蓄電
技術
グリーン水素の生産:日本は既に最大のグリーン
水素生産プラントを運用しており、近い将来こ
のプラントを規模で上回るプラントが建設中
水素を燃料とする重量物輸送、航空、および海
アンモニアを燃料とする重量物輸送、航空、および
海運
製鉄などの重工業の電化
次世代の太陽光パネル
ネガティブエミッション
...
日本はRE100を達成
できるでしょうか。
RE100は不可能ではありません
全ての提言は、既存の技術または近い
将来開発される技術に基づくも
将来にしか使えない技術ではなく既存
の技術を用いることが焦点
日本はRE100の実施に向けて遅れを
取り戻す必要があります
再生可能エネルギーはまだ日本が必要とするエネルギーの大部分を供給するに至っておらず、1990
以降は伸びが鈍化
RE100には経済的
メリットがあります
RE100はエネルギーの節約に
つながります
RE100を実現すると
エネルギー使用量を
50%以上削減できます
それぞれの分野でエネルギー効率が
上昇するからです
効率上昇の内訳
住宅/商業施設:ヒートポンプはガスボイラーと比較して、5倍の効率の暖
房や温水を実現
工業/エネルギー:電気は化石燃料と比較して、1.2倍高効率の熱源となり
ます。化石燃料エネルギーは平均で効率が~50%にとどまります。これら
2の要素を組み合わせると、必要なエネルギー量を42%削減可能
交通電気自動車は燃焼機関と比較して5倍効率が高く、燃料電池を搭載
した車両は最大2倍効率が高いため、72%の節約が可能
RE100は経費の節約につながります
RE100によって
電力料金が
下がります
RE100を実現できると、1kwhあたりの
電力料金は現在より下がります
RE100を実現するためには、
年間の化石燃料への支出に
等しい資本コストしか
かかりません
RE100への転換が10年かかると仮定すると、この転換
に必要な年間の資本コストは日本全体の年間の化石燃
料への支出と同じ、GDP3.3%にとどまります。
日本RE100への転換が進むと、化石燃料への支出が
なくなります
90%
もの二酸化炭素排出換算量を
RE100で削減できます
RE100への転換後は、
二酸化炭素排出換算量の
10%のみが残ります
二酸化窒素とメタンの排出量の一部をRE100
の転換で削減できます。ヒドロフルオロカーボ
ンガスは段階的に使用が中止されていま
残るメタンの排出量の82%は畜産農業によるもの、具体的には
家畜と水田での稲作から排出されるものです。畜産物の消費を
減らして水田を用いない稲作に切り替えることで削減可能です
工業プロセスからの二酸化炭素排出をなくす新たな工業プロセ
スの手法を開発する必要があります(例:カーボンゼロコンク
リート
RE100を実現するための
エネルギー内訳とは?
風力29%、太陽光68%、その他3%
新たに必要となる発電可能量:
風力で新たに194GW
太陽光で新たに412GW - その最大の割合
を占めるのが屋上の太陽光発電
RE100の詳細
日本にはまだ太陽光発電に
使用されていない屋上が
大量に存在します
現在、適切な屋根スペースの
2.8%のみが使用されています
Google屋上での太陽光発電可能量に関するデー
を公開しています。このデータを用いて日本全
で可能な発電量の合計を試算しました
太陽光発電パネルは屋上
だけではなく、ビルに
取り付けることでも
設置できます
太陽光発電パネルを壁に取り付けることでビ
ルの再生可能エネルギー使用量を増やすオプ
ションが徐々に普及しています
色鮮やかな太陽光発電パネルならビルのデザインに
溶け込みながら再生可能エネルギーを発電可能
発電可能量:ミント神戸、1.2MW
神戸三宮阪急ビル、1.1MW
出典:NREL SAM
各分野の詳細
気候に優しい建築基準
屋根全体を太陽光発電パネルで覆い、バッテリー
による蓄電池を備えることを、既存および新築の
全ての建物に義務付けます
気候に優しい建築物を実現するには、建築物で使用
するエネルギーの大部分をその建築物で生み出して
蓄える必要があります。カリフォルニア州ではその
ような法律が施行されドイツもそれに続いていま
太陽光発電屋根貸し(PPA)制度で、家主には前払い
の費用が発生しないようにすることができます。電
力会社がパネルを設置し、家主に対して現在よりも
低いエネルギー料金を設定するというものです
これに加えて、バッテリーによる蓄電池も盛り込む
必要があります
ガスボイラーを段階的に廃止し、電力による熱源(
例:ヒートポンプ)を温水源として義務化
冷暖房は既にほぼ電化済み
気候に優しい
エネルギー産業
エネルギー産業は、再生可能エネルギー
生産への転換を大規模に推進できます
太陽光:公共サービスおよびエネルギー会社
は、太陽光発電屋根貸し(PPA契約で新たな
市場を開拓できます。気候に優しい建築基準
によって、屋上という収益源が確保され、同
時に消費者はより低い料金でエネルギーを使
用できるようになります
風力:公共サービス会社は化石燃料への投資
を風力への投資にシフト
電気自動車の充電:化石燃料会社が電気自動
車の充電インフラを整備中
気候に優しい運送
交通網を電化し、水素燃料電池を
長距離輸送用途に使用します
2次電池式電気自動車(BE)が主流となりつつあり、
転換する自動車メーカーが増加
これまでの排出基準同様に、法整備によって化石燃
料による運送を段階的に廃止
自動車:BEBEHFCと比較して、2.5倍高効率)
トラック:BE + 水素燃料電池HFC
船舶:BE(短距離)、HFC(中/長距離)、水素/
ンモニア燃焼(長距離)
航空機:BE(短距離)、HFC(中距離)、水素/アン
モニア燃焼(長距離
気候に優しい工業
電力を熱源として用いることで工業
プロセスを電化します
あらゆる工業プロセスで電力を熱源として使用でき
ます
電力を熱源として用いると、燃焼を熱源として用い
るより1.2倍高効率で、より安全に展開でき、燃料の
インフラやサプライチェーンが不要になります
既存の技術を用いて
一歩一歩RE100への
転換を進めましょう
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屋上太陽光発電発電・蓄電設備の義務化:住宅、商業・工業施設、公共の建物 (気候関連建築安全基準)
屋上太陽光発電設備設置 推進し普及率100% | 必要な開発段階はすでに達成
屋上太陽光発電設備による蓄電を推進 |初期開発段階
ソーラーリーシングの普及推進 (小規模PPA)
沿岸・洋上風力発電を推進し、エネルギーミックスに占めるべき比率を達成 | 開発成熟段階
ヒートポンプ設置義務化:住宅、商業・工業施設、公共の建物 (気候関連建築安全基準)
(現在化石燃料が使用されている場所への)温水供給、暖房用ヒートポンプ設置 | 開発成熟段階
BE 航空機 (中距離) の普及推進 |実験段階
BE 船舶(中距離) の普及推進 | 実験段階
HFC H2/NH3式船舶の普及推進 (長距離) | 実験段階
HFCH2式航空機 (長距離) | 研究開発段階
HFC = 水素燃料電池、BE = バッテリー式電気
立法化による化石燃料による輸送の撤廃
電気自動車の普及推進 | 中期開発段階
貨物用電気自動車の普及推進 (中期) | 実験段階
貨物用HFCの普及推進 (長期) |初期開発段階
グリーン水素プラントを建設し送配電グリッドの余剰電力を利用 | 初期開発段階
ガス火力発電所でのグリーン水素混合物の利用を推進、 H2利用比率を100% | 初期開発段階
工業プロセスにおける電気による熱生産を推進、電気利用比率を100% | 初期開発段階
10年間のタイムライン
2021年を、RE100への転換を
始める年にしましょう!
待つ理由などありません!